映画祭実行委員、初挑戦のえさきです。
2月11日からスタートする第60回ベルリン映画祭で、山田洋次監督が、
特別功労賞にあたるベルリナーレ・カメラ賞を受賞することが先日、発表されました!
最新作『おとうと』での受賞ですが、シティライツ映画祭でも同監督の作品を上映するだけに、
嬉しいニュースに興奮です!!
そんななか、先月末の1月31日(日曜日)には、
もうひとつの上映作 『雨に唄えば』 の字幕朗読収録が行われ、そのお手伝いに行ってきました。
場所は、映画のまち調布市にある「調布市文化会館たづくり」8Fスタジオ。
昔からこの辺りには映画撮影所が点在し、多くの作品が生み出されました。
映画好きにはなんだか、それだけでワクワクする場所です。
スタジオの広さは40畳ほどで、5mの高い天井には撮影用の照明器具がついています。
この日は、中央に4本のスタンドマイク、
その手前に映像モニター2つとDVDプレーヤー1台が用意されていました。
脇の長テーブルに録音&編集用パソコンをセットし、
映像音声を聞くためのFM携帯ラジオなど、諸々の準備をしてスタンバイ。
そうこうしているうちにやってきたのが、あの‘シネマガールズ’たちです。
収録の模様もバッチリ撮影してくれたので、こちらも楽しみ!
朝10時をすぎると、
声優ボランティアの皆さんがぞくぞくと集結。
今回の参加者は、プロの役者さんから声優初挑戦の方まで、視覚障碍者を含め総勢27名。
午前の収録メンバー約20名がそろったところで、まずはキャストの顔合わせです。
彼らを束ねるディレクターは、視覚障碍者の女優・めーたん。
音声ガイドチームリーダーの檀さんもサポートに加わっていただき、
いよいよ収録スタート!
事前に配られた朗読台本を手に、マイクの前に立つ声優さんたち。
モニター映像、台本、そして英語の台詞を意識しながらの吹き替えは、
タイミングを合わせるだけでも大変そうです。
緊張と初挑戦のせいで、棒読みになってしまう人も当然いて、
ディレクター&ガイドチームリーダーが的確なアドバイスを送ります。
これがまた、なるほど!と思えるものばかりで。
誰に向かって、どういう気持ちで言っているのか?
相手はどのくらいの距離にいるのか? などなど、
セリフひとつから読み解くものっていっぱいなんだなぁ、
ということに改めて感銘をうけたと同時に、
人は無意識を意識することで変われるのだとも思いました。
収録は基本的に、「シーン1」から順に。
配役によっては、わずかな出演シーンを先にまとめ撮りすることもあって、
はるばる来たのに収録時間5分で終了!なんて人も。
それでも、満足した面持ちで帰っていく姿が印象的でした。
午後になると、俳優やプロの方たちが大多数となり、場のテンションもヒートアップ。
ディレクターからは、声の高さの違い、本編キャラクターとのズレ、
感情の入れ方など、厳しくこまかい要求が出されます。
鋭い指摘もさることながら、それに即座に応えていく役者さんたちも素晴らしかった!
とにかく現場は、“ボランティアだから”なんて、そんな生ぬるいものではありませんでした。
もう、一瞬、一瞬が、緊張と興奮と感動の連続で。
テンポよく、一度でキマッた時なんかは、聞いているほうも気持ちよすぎて。
ディレクターも「素晴らしい!」と叫びながら思わず拍手。
なんだかクサいですけど、夢に向かってみんなで進んでいるんだ!って。
心の汗が見えたような気がしたのも、あながち幻ではない気がしています。
一丸となって、47名の登場人物を個性豊かに彩ったこの収録。
大ラスのシーンを撮り終えたのは、夜9時半近くでした。
皆様本当にお疲れ様でした!
そしてこの感動が映画祭上映でも、たくさんの人に伝わりますように♪
このあとは、編集→音声ガイドチームにバトンが渡されます。
その様子もブログで紹介する予定ですので、こちらもお楽しみに!