映画祭物語『思い出そう、大切なこと』第5章 絆とつながりを誓って

映画祭ブログ担当 ながたです。

映画祭まであと2日。私は、とっても緊張してきました。

みなさんはいかがですか?

物語は、まだ続きますよ!

早速、続きをどうぞ・・・。

      

深夜から降り始めた雨が、早朝になって次第に激しくなってきた。
映画祭まであと2日。
エルザは、雨音が気になり何となく眠れず、実行委員になった事、元気の事を思っていた。
「実行委員になったことは、私の運命が動き出した証なのかもしれない。あの時七海が誘ってくれなかったら元気とは会えずじまいだったかな。」
その時、携帯電話にメールが届いた。
「雨、激しくなって来たけど大丈夫? 今日、準備で事務局に集まるんだろ。授業、午後からだから迎えに行こうか?」
元気からのメール。
携帯電話の音声が、機械的にメールを読み上げる。
エルザは、元気の声が聴きたくなって思わず電話をかけた。
「エルザ、起きてたの?」元気の声が耳に聞こえる。
「うん、雨音が気になって・・・。」
「大丈夫かい?迎えに行こうか?」
「ううん、大丈夫、今日は七海も一緒だし佐緒里さんもいるから。」
「そっか、じゃあ明日・・・になっちゃうか、そっか。」
「うん、そうだね。」
「じゃあ、明日。」
淋しげな余韻を残して電話が切れた。
元気は来春から社会人、私はまだ大学生だし、映画祭が終わったら、「これは夢物語だったのよ。」と何処かから声が聞こえて終わってしまうかもしれない。今も、自分から声が聴きたくて電話したのにそっけない態度をしてしまった。自分でも、素直になれないだけなのか、自分の障がいや境遇を考えて壁をつくってしまっているのかわからないでいる。
また、携帯電話にメールが入る。七海からだ。
「今日午後からになったから、どこかでランチしようよ。その時、悩み聞くからね。」
そして、直ぐに電話が鳴る。七海からだ。
「あ、やっぱり家に行くね。お店で泣かれたら嫌だもん。じゃあね。」
七海は、一方的にしゃべって電話を切った。
エルザは、いつもながら七海の感の良さに正直救われている。
七海は、誰かが悩んでいると感じると直ぐに駆けつけてくれる。私だけではなく、この間は笑子さんも救われたって言ってた。
七海曰く「友達や仲間を大切に思ってるだけ。」との事。
エルザも、七海みたいになりたいと強く願っている。
元気と付き合い始めてから、本当に元気の事を大切に思っているから・・・。

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