映画祭物語『思い出そう、大切なこと』第5章 絆とつながりを誓って

映画祭ブログ担当 ながたです。

日々の経過は本当に早いものです。

あと3日で映画祭。寒暖差が激しいですが、くれぐれもお身体大事にされてくださいね。

では、続きです。

 

 

「ふぅーん、今、江戸博では日本橋展をやってるのね。」
先日のボランティア説明会を欠席したはなが、博物館の看板を見ている。
「ええ、だから江戸博にあるカフェやレストランは日本橋にちなんだ特別メニューがあるみたい。」
「ホントだ。えーなになに?」
はなが声に出して読み始める。
「一階、カフェレストラン、日本橋展 オリジナル洋風弁当 だって。他にパスタやレディースランチもあるわ。」
「あ、そういえば緑茶処におうどんもあったわよ、日本橋展にちなんだメニューはないけど前に食べたことがあるわ。」
笑子が頷きながら話している。
「あとは7階ね。江戸のレシピを現在にアレンジしたって書いてある。○○御膳っていう感じのランチね。ここの展覧会メニューは冷やし汁粉だって。」
「お昼休憩が1時間だからねらいを定めないとね。」あかりが話しを受ける。
「JRの駅前には、マクドナルドやランチもやってる居酒屋もあるわね、改札出てすぐの所にはビールが美味しい両国カフェだっけ?があるわ。」
「あかりさんのお友達はどうするの?」
笑子がたずねる。
「あ、サンドウィッチ買って来て3階の休憩室で食べるみたい。食いしん坊、備えあれば憂いなし。ふふっ。」
「そうですよね、私も食いしん坊ですよ。」はなが応える。
「笑子さん、売店混んでるかしら?」
「ツアーのお客さんが沢山いますね。丁度、着いたところみたい。」
「そうしたら、私を売店まで連れて行ってくれる?」
「ええ、いいですよ。」
「松五郎は、ここではなさんと待ってて、ごめんね。」
あかりと笑子は博物館の中に入って行った。

外の駐車場で待つはなは、ショコラティエを抱え松五郎のハーネスを持っている。
「はなさん。」松五郎が話し始める。甲高い少年のような声をしている。
「はなさん。お願いがあります。」
はなが、驚いて松五郎を見つめる。
「私からもお願いします。」ショコラティエが、はなの心に語りかける。
「ショコラティエちゃんと一緒にがんばったのだけど、はなさんでないと出来ないことなのです。」
「私の力が足りなかったから。」ショコラティエは、はなをじっと見つめている。
「ショコラティエちゃんの力が足りない事では決してない。それだけはわかってください。」
「私は、何をすればいいの? 出来る事だったらやるわよ。」はなが二匹に優しく語りかける。
「これは、私の感だけど、映画祭に関係のあること?」
「はい。」
「ええ。」松五郎は声に出して、ショコラティエは心で応えた。

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