映画祭物語『思い出そう、大切なこと』 第2章 始まりのとき

映画祭ブログ担当のながたです。
映画祭のチケット受付も開始しましたね。
ブログも、第2章に入ります。
感想などをCLCにアップしていただけるとうれしいです。
では、早速つづきをどうぞ!
    
第2章 始まりのとき

東京・田町

 JR田町駅から程近いところにある東京都障害者福祉会館は、いつも賑わっている。
障がいのある方やボランティアの人々が無料で使える施設であるため、いくつもある集会室、娯楽室からは、陽気な歌声や楽しげに語らう声、大正琴やピアノ演奏などが聞こえる。
   
  会館2階奥にある、児童室A。児童室と言っても子供向けの部屋と言うことはなく、20人程度が入れる普通の会議室である。扉には、「CityLights」とアルファベットで書かれたボードがセットされている。
    
「今日は、お集まりいただいてありがとうございます。」
リーダーが、穏やかなトーンで話し始める。
「これから、みなさんと第5回シティライツ映画祭へ向かって頑張って行こうと思います。よろしくお願いします。まずは、順番に自己紹介をお願いします。」
「えーっと、じゃあ、音松さんから。」
「はーい、音松です。詳しい紹介はいいやなぁ、よろしく。ほい、次は佐緒里ちゃん。」
資料を見ながら、紙コップのコーヒーを飲んでいた佐緒里が、驚いて顔を上げる。
「あ、はいっ。あ、ごめんなさい、自己紹介ですね。 こんにちは、吉本佐緒里(よしもと さおり)です。よろしくお願いします。・・・じゃあ、次は、元気くん。」
「えっ?」
元気は、驚いて立ち上がった。
「どうも、只野元気(ただの げんき)です。吉本さんと音松さんに誘われて映画祭実行委員に応募しました。みんなの力になれるように頑張ります。じゃあ、次は隣の・・・。」
元気が隣に座っている女の子を見やる。女の子は、友達に促され話しはじめる。
「初めまして、皆野エルザ(みなの えるざ)です。前回の映画祭でとても感動して、字幕朗読やいろんな事、私がやれる事、頑張りたいと思って友達と参加しました。よろしく!次は、友達の七海です。」
「みなさん、初めまして。白保七海(しらほ ななみ)です。大学に入って、エルザさんと友達になって、映画の音声ガイドに興味を持ちました。私も前回の映画祭、映画はもちろんだけど、会場に溢れるパワーに圧倒されました。実行委員がんばります。次は、こちら。」と言った途端、伏せていた盲導犬と目が合った。
「くぅ・・・。」松五郎が、鼻を鳴らす。
「あぁ、私ですね。みなさん、こんにちは。私は、木下あかり(きのした あかり)と言います。今、ちょこっと鼻を鳴らしたのは、パートナーの松五郎です。よろしくお願いします。今回は、二人の方をお誘いして応募しました。では、次は、広田さん、どうぞ。」   
「こんにちは、初めて参加します広田笑子(ひろた しょうこ)と申します。こちらの、木下さんが私のお店に来て下さったことがきっかけで、ご一緒させて頂くことになりました。よろしくお願いします。次は、先ほど知り合った・・・。」
「初めまして、桜井はな(さくらい はな)と言います。私は、木下さんの対面朗読を担当する事が多く、映画のお話もその時によく伺っています。どうぞよろしくお願いします。」

この時、あかりの足元に伏せていた松五郎は、ショコラティエちゃんに思いをはせ、淋しげな表情を浮かべていた。
  
つづく・・・。

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