映画祭物語『思い出そう 大切なこと』 第5章 絆とつながりを誓って

映画祭ブログ担当 ながたです。

本日3回目のブログ更新。 

続きをどうぞ・・・。

「すいません、映画祭準備で忙しい時なのに・・・。」
両国駅近くにある、洒落た喫茶店。
元気が、演劇結社ぽっちゃりぽっちゃりの大輔さんと話している。
大輔さんは明日の映画祭で、奥様のめーたんとともに司会を務めることになっている。
元気が初めて夫妻に会ったとき、全盲の奥さんとの仲睦まじい姿に自分とエルザを重ね合わせた。
元気は、一晩中眠れず大輔さんに自分の事を相談したいと思った。
そして、
「僕は、エルザを一生幸せにしたいと思うけど自信がないんです。」と打ち明けた。

「俺は、めーたんを幸せにする自信があるから結婚したんじゃなくて、幸せにしたいから一緒にいるだけ。それは、音声ガイド作りと同じで、綺麗な上手い文章を作ろうとするとおかしなガイドになっちゃう。伝えなきゃいけない事を一所懸命伝える事だけ考えてりゃあいいってことじゃないか。全盲のエルザちゃんが『誰も知らない』を観た時、子供たちの目が無垢で自然だって、ちゃんと伝わってるじゃないか。それは元気君が伝えたんだろう。」
「ああ、そうか・・・でも、映画が持つ力が心に伝えているのかもしれない。」
「違うな、元気君は気づいていないかもしれないけど、エルザちゃんを大切に思うからこそ伝えなきゃいけない事がちゃんと伝わるんだと思うよ。」
大輔さんが言葉を続ける。
「二人の絆と運命がつながっているからこそ、だと思うな。自信なんていらない、いらない。さあ、早くエルザちゃんを迎えに行きなさい。」
「はい、ありがとうございました。」
元気は立ち上がり、一礼すると足早に店を出て行った。

第5章 絆とつながりを誓って おわり

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