音声ガイド・モニターのつぶやき

どうも、映画祭ブログの管理人です
今日は、テッチャンが記事を書いてくれました。
モグタンの記事でモニターって言葉が出てきましたが。
シティライツは必ず作った音声ガイドを視覚障碍者の方に
確認してもらっています。
モニターという形で音声ガイド付き映画を鑑賞してもらうのです。

しかし、このモニターというのも難しい仕事なのです。
的確にそのガイドの出来を指摘しながら
建設的に改善できるようアドバイスをする能力も求められます。
ではシティライツのモニターにこの人あり。
てっちゃんのつぶやきを教えてもらいましょう。

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テッチャンです。

モニターのつぶやき。
 私が、シティー・ライツに参加させていただいたのは4年前ぐらいだと
記憶していますが、どんな動機だったのかがどうしても思い出せません。

何か、ひょんなことから『しゃべれどもしゃべれども』の音声ガイドの勉強会に
お邪魔したのが、そのきっかけだったような気がします。
 もちろん、音声ガイドがどんなもので、勉強会でどのようなことを
するかなど一切知らずにです。でも、お邪魔した時、訳も判らず面白い
活動だと感じたのは事実です。次の『火垂る(ほたる)の墓』、
それに引き続いて『歓喜の歌』と勉強会に出席して、モニターって言う役目の深
みにはまり込みました。
 いやいや、そうではありません。平塚リーダーのオダテと、勉強会の人々の
暖かな励ましがあったればこそ、オッチョコチョイの私が惹きつけられて
しまったのです。

 音声ガイド作りに、100点満点はあり得ません。いつも暗中模索で、
試行錯誤の連続です。見えない人々、見えにくい人々が、健常者と一緒になって
映画を楽しむためには、音声ガイドの基点をどこに置いたらいいか、
それを見定めるのが難しいです。同時にやり甲斐のある作業でもあり、
苦しみながらの楽しさと言ったらいいでしょうか。音声ガイドチームの
メンバーが10人いれば、10通りの映画を見ることになります。人間って、
不思議です。同じ映像を見ていながらそれぞれに違った箇所を見ているし、
解釈もまちまちです。

 それらの皆さんが分担して作って来た音声ガイドの部分を、勉強会の仲間
全員で岡目八目よろしく、寄ってたかって検討を加えるのです。より良い
的確な言葉を選ぶのに電子辞書を駆使したり、インターネットからの情報を
参考にしたり、原作を読んだりと、なかなかの努力の積み重ねです。

 始めは、音声ガイドも荒削りですが、その勉強会の4回目を過ぎたあたり、
奇妙に仲間全員の映画を見る眼が落ち着いて来ます。そして、映画全体の
流れを素直に受け入れるようになります。映画の醍醐味に感じ入るのです。

 翻(ひるがえ)ってみれば、音声ガイドは、ソレを享受して下さる人々のため
のものでありながら、作り側の感受性を豊にしていただけるものでもあります。
 私たちは、音声ガイドと言うDVDを作って、本番の映画にシンクロ
させるのです。そのために、映画の流れを乱すことや、スピードに邪魔立てした
りはご法度、映画の勝手な解釈なども許されません。それで、神経も使います
が、そのようにして出来上がった音声ガイドを実際の映画館で聞くと、
ハラハラ、ドギドギ、ほっとしたりで大童です。
その後のお茶会で、皆さんからの感想を伺うと、納得したり、たまには内心ムッ
トしたりもしますが、そんな時は次の音声ガイドに向けてのファイトが沸き起こ
ります。
 皆さん、映画が10倍も楽しくなる音声ガイドにチャレンジして下さい。
必ずやご自分の宝になること請け合いです。
では また次回。

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