『蝶の舌』(モニターのつぶやき、その3)

テッチャンです。

4月15日に蝶の舌の通しチェックをしました。
 さて、この映画のモニターを務めて今更ながら音声ガイドの威力を
思い知らされました。
 映画は、美しい音楽で始まるのですが、それから3分間ぐらいは、
まったく無音の世界なのです。タイトルバックは、大抵そのような傾向に
あるとは言うものの、この映画の無音は、かなり長いものです。

音声ガイドの力を借りて写真の数々を見ると、それらは、スペインの小さな
村の日常生活の断片だったことが判りました。日本との風習の違いが判る
写真で、とても面白いです。
それらの写真は、映画本編へいざなう役目も担っています。

今回『蝶の舌』のモニターをして戸惑ったことがありました。
スペイン情勢が顔を出してくるのです。
このころのスペイン情勢はスペイン人や、ヨーロッパ人なら常識的なことでも、
私たちには縁遠い問題です。このことは、晴眼者が映画を見ていても同じことか
も知れませんが視覚障碍者には、事前解説ではなくて、音声ガイドの中で何らか
の手立てはないものかと皆で考えました。

この映画は、子ども目線で進んで来たのが、後半からはスペイン情勢といった大
人目線に変わります。そしてまた、映画の最後は、子ども目線に戻ります。
この二面性が、映画の懐を深くしています。
素晴らしい映画。

皆さん。6月4日に、映画祭の会場でお待ちします。
どうぞ よろしく。
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