映画祭物語 『思い出そう、大切なこと』第3章 奇跡

映画祭ブログ担当 ながたです。
映画祭まであと1ヶ月。
がんばります。

映画祭物語 『思い出そう、大切なこと』 第3章 奇跡

JR王子駅の改札。
「お待たせしちゃって、ごめんなさい。」
桜井はなが、改札口で待っている音松に駆け寄る。
「あー、いやいや、大丈夫ですよ。じゃぁ、行きましょうか。」
音松の声に促され周りにいた人々が、歩き始める。

今日は、『奇跡』音声ガイド勉強会の第一日目、なのである。
  

駅から程近い、北とぴあ(ほくとぴあ)にある、ボランティアセンターのサロンコーナーには、
大型テレビが置かれ、既にDVDもセットされ、リーダーと佐緒里が、当日の発表者からあらかじめ送られていた原稿をコピーしている。
  
「音松さん、おはよう。リーダーです。」
「おぅ、リーダー、今日はよろしく頼みます。」
はなを始め、他の参加者たちが席に着く。
  
「じゃあ、始めましょうか。」リーダーが話し始める。
「最初に、映画『奇跡』について少し、お話しますね。
この作品は、6月24日に江戸東京博物館大ホールで行われる、シティライツ映画祭で上映されるのだけど、何故この作品になったか?
それはね、お年寄りでも子供でも、もちろん若者も、それぞれ感じ方は違うかもしれないけれど、心の中に暖かな温もりが宿ること。なんて、とっても漠然としているけれど、私たちが存在している事の大切さだったり、仲間との絆だったり・・・。主人公の子供達と一緒に、奇跡を願いながら、自分にとっての大切な事を思い出させてくれる作品でした。他にも沢山候補があったけれど、やっぱりこの映画が一番でした。なので、映画祭にいらっしゃる方々に、この映画の温もりをちゃんと伝えられるように、ガイド作り、がんばりましょう。」
   
 参加者たちは、緊張した表情を浮かべている。
その中で、佐緒里が話し始める。
   
「リーダー、ありがとうございます。今日は、吉本佐緒里です。本日は、5回にわたる映画『奇跡』の音声ガイド勉強会の1回目。ざっと、流れを確認すると1回目から4回目までは、各自分担して製作したガイドを発表して、ディスカッション。まず、モニターの音松さんとあかりさんの聞きづらい言葉やわかりにくい表現をきいてそのあとに、みなさんでディスカッションを行っていきます。最後の5回目はディスカッションを受けて修正したガイドを通して聴いて検討をします。検討会をうけて、監修者が更に修正を行います。みなさん、かなり固くなっていらっしゃるので簡単な自己紹介をお願いします。」
  
参加者の簡単な自己紹介のあと、いよいよ最初の発表が始まる。
発表者は、はな。マイクを持つ手が少し震えている。
  
「くぅーん。」あかりの足元にいた松五郎が、そっと囁いた。
「大丈夫、落ち着いて・・・。」
  
はなは、声の主がわからずキョロキョロしている。
再び、松五郎が囁く。
「ショコラティエちゃんからの伝言、頑張ってって・・・。」
  
驚いて足もとをみるはな。
松五郎は、ふわふわの尻尾で はなの足先をなでると、何事もなかったように、伏せをする。
  
テレビから、映画『奇跡』のオープニングシーンが流れ始めた。
   
第3章 つづく・・・。

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