映画祭物語『思い出そう、大切なこと』第一章 出会い <エピソード2> つづき

映画祭ブログ担当ながたです。早速続きをどうぞ!
「もしもし、只野元気さんね。」
元気は、いきなり名前を呼ばれるとは思ってもいなかったので、口ごもってしまった。
女性の声はさらに続く。
「なんかさぁ、タダノゲンキって名前が忘れられなくて、思わず登録しちゃった。で、何?」
「あ、この間のドタキャンした同行鑑賞会の事、もう一度ちゃんと謝ろうと思いまして・・・あの、僕が誘導するはずだった方にもちゃんと・・・その・・・。」
「ふぅーん、なかなか殊勝じゃん。そんな電話してきた人初めてよ。元気だけが取り柄のタダノゲンキってわけでもないみたいね。」
「はぁ・・・。」元気は立て続けにフルネームを連呼されて困惑している。
「来週の土曜日の夕方、時間空いてる?」そうたずねると、女性は言葉をつづけた。
「名前がゲンキだから、君の鑑賞会デビューはこっちが良かったのかな。多分、神様がそうしなさいって言ってるのかも・・・。どうなの?予定は。」
元気は、携帯電話を耳にあてたまま、姿勢を正すと、
「はい、大丈夫です。お手伝いさせていただきます! よろしくお願いします。」
まるで、バイトの面接に合格したときのようである。
「それじゃあ、水道橋駅に夕方4時集合。申込みは私がしておくから、絶対に遅れない事!いいわね。」
女性はそれだけ言うと電話を切った。        

 「水道橋って、映画館あったっけ?」
元気は、電話を持ったままポカンとしている。

 

<エピソード2>はまだまだつづく・・・。

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