映画祭物語『思い出そう 大切なこと』第6章 シティライツ映画祭

映画祭ブログ担当 ながたです。

いよいよ、映画祭当日を迎えました。

みなさまどうぞ、気を付けてお出かけください。

では、続きをどうぞ。    

第6章 シティライツ映画祭

6月24日 日曜日
東京・両国 朝6時。

「へえ、これが朝青龍(あさしょうりゅう)の手形なんだ。」
エルザと元気が、先日メーリングリストに送られてきたダンさんからのメールをたよりに、江島杉山神社を目指している。
その途中には、両国ならではの力士のブロンズ像が並び、相撲に足跡を残した力士たちの手形が土台を囲んでいる。
エルザは、手形に自分の手を重ねている。
「あれ?おはよう。朝から熱いねえ。」
「おはよう。」佐緒里と音松もどうやら映画祭成功祈願に行くようである。
力士のブロンズ像のある国技館通りを進んでいくと、正面に回向院(えこういん)がある。

「えっと、ここを右に進んで。あれ松五郎とあかりさん、はなさんと笑子さんも一緒。」
佐緒里が3人と一匹の姿をみつける。
「おはよう。お詣り?」
「ええ、映画祭、絶対に成功してほしいもの。」
「みんな一緒ね。行きましょう。」

一ノ橋を渡る。
この辺りに来ると、犬の散歩をしている人の姿がちらほら見える。
「ああ、ここだ。」
建物の間に、ひっそり立つ鳥居。
20メートルほどの参道両側の足元に、北斎の浮世絵がほどこされたライトが並んでいる。

「あれが、点字の石碑かしら。」笑子が石碑に近づいていく。
点字の文字盤の上には杉山検校(すぎやまけんぎょう)の顔のブロンズが埋め込まれている。
「読めるわ。」エルザが石碑の点字を指先でなぞる。
「杉山和一(すぎやまわいち)と総禄(そうろく)屋敷跡。」
元気とはなは、石碑の横にたつ墨字の説明を読み始める。
「ここは江戸時代、関東周辺の・・・。」
黙読する佐緒里、笑子。
「琵琶法師や鍼灸師、按摩などの盲人を・・・。」
音松とあかり、松五郎は元気とはなの声を聴いている。
全員が読み終えたその時。

「みなさん、おはようございます。私は岩窟をお詣りしています。」
心の中に、七海の声が響いた・・・。

岩窟には、江の島の弁財天が分祀されて祀られている。
弁財天は、すべての願い事を叶えてくれるという謂れもある。

そして、全員が岩窟に祀られている弁財天に、来場される皆さまの安全、そして映画祭の成功を祈った。

つづく・・・。

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