映画祭物語『思い出そう、大切なこと』 第5章 絆とつながりを誓って つづき

おはようございます。
映画祭ブログ担当 ながたです。
映画祭まであと6日です。
早速つづきをどうぞ!
   

日付はさかのぼり、『奇跡』の音声ガイド勉強会1日目の夕方のこと。
「ねえ、ショコラティエちゃん。」
はなの家のリビングで、松五郎が話しかけている。
「なぁに?」
「ショコラティエちゃんは、パソコンが出来るって言ったよね。」
「出来るって言っても、電源のスイッチを入れて、はなさんが使っているソフトを立ち上げるだけよ。」
ショコラティエも意外な特技を持っている。
「それは、今出来るの?」松五郎は多分?真剣な顔だと思う表情でショコラティエを見つめる。
「ちょっと待って。」
ショコラティエはそう言うと、椅子にちょこんと飛び乗り器用にテーブルの上に前足を置いた。
「大丈夫、パソコンが開いてあるから出来るわ。」
ショコラティエが、前足を電源ボタンに置くとパソコンが起動しはじめる。
松五郎も椅子に飛び乗りショコラティエの隣に並ぶ。
ショコラティエは、タッチパネルをペロッと舐めポインターを音訳ソフトのアイコンに重ねた。
そして椅子から降りたかと思うと、いつも遊んでいるスーパーボールを咥えてきた。
また、椅子に飛び乗り、スーパーボールをタッチパネルの上に落とした。
スーパーボールがタッチパネルの上で2回バウンドする。
すると、いとも簡単に音訳ソフトが起動し始めた。
「すごい。」松五郎が尊敬の眼差しでショコラティエを見つめる。
「でも、ここまでなの。ここから先が出来ないの。」しょんぼりするショコラティエ。
「いや、ここから先は一緒に頑張ろうよ。僕は、お姉さんに伝えなきゃいけないことがあるんだ。」
松五郎はそう言うと、何度も失敗しながらショコラティエがやったようにタッチパネルを舐め、スーパーボールを上手に使って音訳を始めた。

つづく・・・。

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