タイトル: 『母べえ』(かあべえと読みます)
製作年: 2007年
製作国: 日本
配給: 松竹
監督・脚本: 山田洋次(やまだ ようじ)
出演: 吉永小百合(よしなが さゆり)、浅野忠信(あさの ただのぶ)、
檀れい(だん れい)、志田未来(しだ みらい)、
戸田恵子(とだ けいこ)、坂東三津五郎(ばんどう みつごろう)
★製品内容:
DVD発売日: 2008年7月25日
ディスク枚数: 1
販売元: 松竹
販売価格: 2800円
時間: 132分
● 作品の概要
映画スクリプターの野上照代の実話にもとづいたエッセイ作品及び映画化作品。
元々は、1984年の読売女性ヒューマン・ドキュメンタリー大賞に「父へのレクイ
エム」という題名で応募され、優秀賞を受賞。山路ふみ子功労賞もあわせて受賞
した。2007年12月、翌年の映画公開を前に、中央公論新社から『母べえ』とし
て、単行本として刊行された。父・野上滋は、戦前から新島繁のペンネームで活
躍したドイツ文学者。単行本収録時には吉永小百合と山田洋次のエッセイが添え
られた。
作品は、日本が太平洋戦争への道を歩んで行く、不穏な時代を背景に、慎ましく
生きる家族の姿をとらえて描いた山田監督の感動作。
夫のいない家族を支える強くて健気な母親役の吉永小百合さんを通して平和や家
族の大切さを訴えている。戦時の動乱に流されながらも懸命に生き抜く家族と周
囲の人々のエピソードが涙を誘う。
★ストーリー
舞台は1940(昭和15)年の東京。父と母、娘の初子と照美の野上家は、お互いを
「父べえ」「母べえ」「初べえ」「照べえ」と愛称で呼び合う仲睦まじい家族
だった。
しかし、小さな家庭の穏やかな日常は、
文学者である父・滋が治安維持法で検挙された朝から一変する。
戦争に反対することが、国を批判するとして罪になる時代だった…。
不安を募らせる母と娘たちのもとに、温かい思いやりを持った人々が次々に訪れ
る。
父の教え子で出版社に勤める山崎は、父との面会申請のために奔走し、
やがて一家から「山ちゃん」と呼ばれる大切な存在になる。
父の妹で美しく快活な久子は、
思春期を迎えた初子とおてんばな照美の良きお姉さん役で、
いつしか山ちゃんにほのかな想いを寄せるようになる。
そして、変わり者の仙吉叔父さんは、あけっぴろげで遠慮のない性格のため、
いくつもの騒動を巻き起こすのだった。
離ればなれになった家族をつなぐのは手紙だった。まるで日記を書くかのように
毎日の出来事を父に綴る初子と照美。
そんな娘たちの成長を見守ることが母べえの心の支えだった。
そんなある日、野上家に思いがけない便りが届く…。
父べえが無事帰って来てほしいという希望。娘たちがすくすくと育ってほしいと
いう希望。正しいことを正しいと言える平和な時代が来てほしいという希望。
そして母べえの存在そのものが絶望の中を生き抜くための真の「希望」。
混迷する現代に生きる私たちへのメッセージ。
受難の中で希望を抱きしめる。